安室奈美恵「BEST FICTION」

By tata

My Favorite CD Reviews レビュー第1号は7月30日に発売された安室奈美恵のベストアルバム「BEST FICTION」です。

このアルバムは安室奈美恵の6年間の軌跡を辿ったベストアルバムで、安室奈美恵自身は「BEST FICTION」というアルバムのタイトルについて、理想の女性像を描いた作品が詰まっていると話していました。それでは早速収録曲を紹介していきたいと思います。

1曲目は新譜「Do Me More」、楽曲プロデュースはNao’ymt。何処か幻想的で怪しげな世界に入り込んだかのような幕開けは、まさに「BEST FICTION」という名のアルバムに相応しいオープニング曲です。頭から離れなくなるサウンドがカッコ良過ぎです。VIDAL SASSOON CMソング。曲の雰囲気、世界観を見事に再現したビデオも要チェックです。(YouTube)

2曲目は2002年にリリースされた「Wishing On The Same Star」、楽曲を手掛けたのはDiane Warrenで、90年代初期にリリースされたKeedyという歌手の同名曲のカバー。広がりのある曲に乗せてしっとりと歌い上げる綺麗に伸びていく声には思わず聴き入ってしまいます。

3曲目「shine more」 m-floのVerbalと今井了介らからなるプロジェクト “SUITE CHIC” のアルバムリリース後間もなく発表された作品で、現在のR&B/HIP-HOP路線へと向かっていく始まりの作品です。

4曲目「Put ‘Em Up」 プロデューサーはTLCやBoys II Menの楽曲も手掛けたDallas Austin. “Put ‘Em Up!”という掛け声と共にグイグイと進んでいく力強いトラックと安室の声は脳内アドレナリンダラダラでもう病み付き。POPS路線で高い国民的知名度を獲得した安室奈美恵。路線変更後2作目でこんな作品をリリースしてしまう彼女の攻めの姿勢、素晴らし過ぎ。

5曲目「SO CRAZY」 プロデュースはFull Force. 6曲目「ALARM」は共に低音が地を這うR&B. そんな洋モノトラックをもクールかつ美しく歌い上げてしまう安室に、リスナーは茫然とし恍惚としノるしか術はありません。

7曲目「ALL FOR YOU」 楽曲を手掛けたのは中島美嘉の”雪の華” やRUI (柴咲コウ)の”月のしずく”などを手掛けた松本良喜。正直、「BEST FICTION」の中でこの曲だけ浮いている気がしてなりませんし、R&B路線の安室奈美恵が好きな僕にとってこの曲はあまり好みではないんだけど、一般ウケは良かったようで、売上げ的には安室奈美恵久々のヒットでした。

8曲目「GIRL TALK」 楽曲は安室のその後の作品に多く関わることとなるT.KURA & MICHICOのプロデュース。ストリングスから始まり、跳ねるようなビートと綺麗というか可愛らしいメロディは、「Put ‘Em Up」「SO CRAZY」「ALARM」に顕著だった黒さが薄くなり、R&BのノリとPOPさが上手く掛け合わさって、これぞ「胸キュン!」という作品になっちゃってます。これは初めて聴いた瞬間に鳥肌がゾクゾクと立ち、汗までかいてしまいそうなくらいにヤバい!と思ってしまった曲でした。

9曲目「WANT ME, WANT ME」はレゲエをベースに沖縄や中東をイメージさせる音がチャンプリングなトラックに、安室はかなーり刺激的なリリックを乗せてきますが、それが全然ヤラしいことなくむしろカッコいい!若干過ぎた感ある言葉だけど “エロカッコいい”ってこういうことでしょ?

10曲目「White Light」はNao’ymtをプロデューサーに迎えて安室奈美恵初のクリスマスソング。シャンシャンシャンという鈴の音に「SO CRAZY」をクールに歌い上げる安室、「GIRL TALK」を可愛く歌う安室とはまた違った優しげな声に思わずウットリ。冬の季節には絶対外せない曲です。

11曲目「CAN’T SLEEP, CAN’T EAT, I’M SICK」プロデュースはT.KURA & MICHICOで、BLACK FLAVORのKATSUさんも仰っているようにJennifer Lopezの「Get Right」を彷彿とさせるホーンが印象的なファンキーでキラキラなポップチューンです。この曲は聴いてるとどんどん気分が上がってくる曲で、夏真っ盛りに車で垂れ流したくなります。

12曲目「Baby Don’t Cry」はNao’ymtプロデュースの綺麗なメロディが心地よいミディアム・ポップなナンバー。すんなり聴きやすくも、これまでの安室の軸からズレていない作品で、幅広いリスナーから受け入れられたんじゃないかなと思います。力強いトラックに乗せられる声と詞を聴いていると元気が出てきますね。

13曲目「FUNKY TOWN」T.KURA & MICHICO、そしてL.L.Brothersが製作に関わったファンキーなアッパーチューン。曲中の所々に入っているアメリカのアニメにありそうな効果音もナイスなスパイスになっています。

14、15、16曲目はシングル「60s  70s 80s」から「NEW LOOK」「ROCK STEADY」「WHAT A FEELING」の3曲。それぞれ60年代、70年代、80年代の曲をサンプリングしていて、まず「NEW LOOK」はT.KURA & MICHICOプロデュースでSupremesの「Baby Love」をサンプリング、終始飛び跳ねる音は春にピッタリで、聴いた瞬間に落ちました (笑) VIDALとコラボしたオシャレ感出まくりのビデオも要チェックです。(YouTube) 「ROCK STEADY」はラッパーでありトラックメイカーでもあるMUROのプロデュースで、70年代にヒットしたAretha Franklinの「ROCK STEADY」をサンプリング。”60s 70s 80s”リリース当初はNEW LOOKがローテーションでしたが、トータルではROCK STEADYの方がよく聴いていますね。「CAN’T SLEEP, CAN’T EAT, I’M SICK」や「FUNKY TOWN」のようにファンキーというよりはむしろ「Put ‘Em Up」のようにクールに攻めていくRnBチューンになってます。(YouTube) 「WHAT A FEELING」はIrene Caraの「What A Feeling」をサンプリングし、プロデューサーには大沢伸一 & MICHICOを迎えたエレクトロニックナンバーで、大沢伸一の作ったトラックに、安室奈美恵の歌声なんて最高に決まってるじゃん、と思っていましたが、実際に聴いてみると予想通りというか予想以上というか・・・カッコ良過ぎ!!ビデオも曲に劣らずメチャクチャカッコ良く仕上がっています。(YouTube)

17曲目「Sexy Girl」は今井了介 & USK TRACKプロデュースで、「Do Me More」と共に「BEST FICTION」収録の新譜。今井了介が手掛けたSUITE CHICの「Just Say So」はアルバムの中でも特に好きな1曲だったので期待していたのですが、・・・少し期待しすぎました。(笑) とはいえ流行を取り入れたサウンドはカッコ良く「Do Me More」ほどではありませんが好きです。

・・・と、以上で曲紹介は終わりですが、長過ぎですね。笑
安室奈美恵は個人的にも大好きなアーティストで、ベストアルバムも発売されたばかりということでついつれづれと書いてしまいました。

安室奈美恵といえばこのベストに収められた一連の活動の前は小室哲哉とタッグを組み、数々のメガヒット曲を飛ばし、日本の音楽業界で揺るぎない地位を獲得したと思われましたが、次第に小室哲哉の音は飽きられ始め、それと共にそれまで1位を獲得して来た安室の作品の売上げと人気にも陰りが見え始めてきました。

19thシングル「think of me」以降、SUITE CHICのボーカルとして、そして自信の作品もR&B/HIP-HOPサウンドへと傾倒していきます。路線の変更に驚き戸惑うこれまでのファン、そして新しい安室奈美恵に惹き付けられ始めるリスナー、様々な反応があったのを記憶しています。

小室哲哉プロデューサー期のように覚えやすく、歌いやすいポップスが売れる日本の音楽業界で果敢にも自らの音楽を続けた安室奈美恵の作品は、R&Bファンだけではなく徐々に幅広い層に受け入れられ始め、このアルバム「BEST FICTION」も発売から1週間で68.1万枚と大ヒットとなりました。

ベストアルバム発売に際してのインタビューでも安室自身が語っているように全くの手探り状態で始めた6年前。そして6年後、最新シングル「60s 70s 80s」でついに9年3ヶ月ぶりに1位を獲得しました。6年間の活動の軌跡が、「BEST FICTION」に凝縮されています。

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